2014年5月5日

『パプリカ』

『パプリカ』
筒井康隆
新潮文庫

『パプリカ』
監督 今敏
マッドハウス


筒井康隆によるSF小説と,今敏によるそのアニメ映画化作品.先に映画を観てから小説を読むと,映像のイメージは強いので,どうしてもアニメのキャラクターがイメージされて混同してしまうが,主に原作の感想.

千葉敦子(パプリカ;原作では同一人格なのだ)のビッチっぷりが印象深い.乾副理事長以外の主要な男性のほとんどから寵愛を受けている.そして男性陣は社会的地位が高い.そんな女いねえよと思ってしまう.敦子の地位も高いのだけれど,それはビッチな特性の結果なのか?敦子が同僚の女に殴られる場面で正直ざまあみろと思った.

他者と夢を共有できる大発明DCミニの奪い合いは,権力闘争が原因だ.映画は乾の動機を,不気味な演出の妙でごまかしちゃってたので,話の別の切り口が見えた.

ノーベル賞級の発明をした女性科学者,彼女に蠱惑されたおじさんたち,そんな彼女に嫉妬する別のおじさん.今これを読んだら,「STAP細胞騒動」を連想せざるを得ない.ゴシップ的に作られたキャラクター「おぼちゃん」(実際は知らん)と「パプリカ」を比べると面白い.


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