2013年12月29日

『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』

『消された一家―北九州・連続監禁殺人事件―』
豊田正義
平成21年初版
新潮文庫

2013年12月24日

所感:カラシニコフ氏の訃報について

AK47の開発で知られるミハエル=カラシニコフ氏が亡くなった.私としては,ショックを受けた.昔の英雄が亡くなるのは仕方ないことなのだが,ちょうど訃報を聞く日にカラシニコフ氏に思いを馳せていたからだ.

AK47と言えば,世界で最も有名な自動小銃である.普通マシンガンをイメージしたら,それはAK47だ.ビンラディンが持ってたアレ,ソマリアの海賊が持ってたアレだ.史上最も人を殺した武器とも言われる.もじってアイドルグループの名称にも使われるほどだ.AK47は,設計者の名前を取って,カラシニコフとも呼ばれる.それほど,カラシニコフは偉大なデザイナーであり,英雄であった.

今年は,ゼロ戦の開発者:堀越二郎をモデルとした『風立ちぬ』が公開された.堀越二郎も英雄であった.ゼロ戦に関しては,設計を行った三菱重工業より,超々ジェラルミンを開発した住友軽金属の方が重要ではないかと,個人的には思う.しかし,堀越の英雄性に疑問はない.

『風立ちぬ』で,二郎が東京帝国大学を卒業して,三菱重工業に入社し,機械図面を引いている様子が描かれる.当時,機械の設計はエリートの仕事であった.二郎の夢の中で,カプローニが言う『設計はセンスだ』という言葉が印象的だった.機械の設計にセンスが要求される時代があったのだ.

AK47の設計は,センスがなせたものであった.AK47の設計思想は,発想の転換であり,画期的な発明だった.

今や,機械の設計にセンスなんて要求されない.大学の機械科で機械の設計を学ぶことはない.機械の設計なんて誰でもできる仕事になった.図面を引くなんて,なんの技能も要求されない.『MAKERS』にあるように,素人の方がうまくできる時代なのだ.大学に入って,一番ショックだったのはそこかもしれない.カラシニコフなり堀越二郎になりたいと思っていた.兵器が作りたいという意味ではない.偉大なデザイナーなど,もはや存在し得ないと知ったのが悲しかった.

そして,カラシニコフ氏の訃報を聞いて,完全にデザイナーが英雄の時代は終わったのだと感じる.

リーナス・トーバルズ氏やまつもとゆきひろ氏のように,今はプログラマが英雄だ.未だにオープンソースの開発者のモチベーションがよく分からないけど,彼らはカラシニコフみたいになりたいと思っていたのだろうか.プログラマが英雄の時代も,遠からず終わると考えると悲しくなるのだ.

2013年12月21日

『でっちあげ』

『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』
福田ますみ
新潮文庫
平成22年1月初版

2013年12月15日

『独裁者のためのハンドブック』

『独裁者のためのハンドブック』
"The Dictator's Handbook: Why Bad Behavior is Almost Always Good Politics"
Bruce Bueno deMesquita, Alastair Smith
四本健二,浅野宣之 訳
亜紀書房
2013年11月初版

序章 支配者を支配するルール
第1章 政治の原理 「金」と「仲間」をコントロールせよ
第2章 権力の掌握 破綻・死・混乱というチャンスを逃すな
第3章 権力の維持 味方も敵も利用せよ
第4章 財政 貧しき者から奪い、富める者に与えよ
第5章 公共事業 汚く集めて、きれいに使え
第6章 賄賂と腐敗 見返りをバラ撒いて立場を強化せよ
第7章 海外援助 自国に有利な政策を買い取れ
第8章 反乱抑止 民衆は生かさず殺さずにせよ
第9章 安全保障 軍隊で国内外の敵から身を守れ
第10章 民主化への決断 リーダーは何をなすべきか